ヤギの販売

ヤギの販売

やまま牧場ではヤギの販売も行っております。
価格・ご購入までの流れなど、詳しくはお問い合わせください。
初めてヤギを飼育される方は、以下の「ヤギの購入をご検討の方へ」をご一読下さい。

家畜商 愛媛県第1725号

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ヤギの購入をご検討の方へ
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 当牧場では「家畜商」として家畜としてのヤギの販売を行なっています。一方で、ヤギはペットとして飼育される場合でも「家畜」です。飼育する際は、「家畜伝染病予防法」を遵守するようお願い致します。詳しくはお住まいの地域の家畜保健衛生所へご相談下さい。家畜保健所への年一回の定期報告書の提出が必要です。

 ヤギは非常に繁殖力が強く、オスとメスをペアで飼育される場合、放任な飼育方法では繁殖を繰り返し、多頭飼育崩壊や近親交配を容易に引き起こします。
 当牧場では基本的には未去勢のオスヤギの販売は行っておりません。メスか去勢済みのオスのみの販売となります。

 ヤギは群れで生活する動物のため、一頭だけで飼育するとしきりに鳴き続けることがあります(慣れてくれば徐々に減ってきます)。また個体ごとの性格により、よく鳴く子、ほとんど鳴かない子、それぞれです。近隣とのトラブルを避けるためにも、事前にヤギを飼うことへの理解を得られるかにも注意して下さい。
 また、繁殖期になるとメスは約20日間隔で発情を引き起こします。発情は約2日間続き、その間もしきりに鳴き続けます。その点からも、去勢済みのオスの飼育から始めるのが良いとされています。

〇設備について

つなぎか、放し飼いか

①つなぎ飼いの場合

 杭などを地面に打ち、そこにロープを繋いで飼う方法です。
手軽な反面、ロープの絡まりによる怪我や、首吊りによる死亡事故が多く対策が必要です。

  • 絡みにくいロープの選定(ロープに水道ホースをかぶせるなど)
  • 適切なサイズの首輪とナスカンによる寄り戻しの設置
  • 繋留する場所の障害物の排除

以上は最低限必要な対策です。

②放し飼い

 牧柵を設置して柵内で自由に行動させる方法です。狭い範囲を囲う場合などは次第にぬかるんでくる場合もあるため床面の管理に注意が必要です。牧柵の設置コストや脱柵のリスクなどがあります。1m程度の高さ(ワイヤーメッシュなど)だと容易に飛び越えてしまいます。個体の特性により一概には言えませんが、1.2~1.5m程度の高さを目安に設置されることをお勧めします。電気牧柵を使用する場合は4〜5段張りとし、事前に十分な馴致訓練が必要です。

小屋や退避所の設置

 ヤギは基本的に濡れることを好みません。雨の日は小屋に入れる、放牧の場合は待避所を設けるなどの対策が必要です。
 また、真夏に日陰のないところに係留すると熱中症の恐れがあります。日陰を設けるか、木陰のあるところに放すよう注意してください。

〇餌について

粗飼料と濃厚飼料

 ヤギの主食は草(粗飼料)です。春から秋にかけては青草が手に入りますが、冬は乾草の準備が必要です。あらかじめ購入先の確保をお願い致します。
 もう一つ、栄養の補強のため穀類(濃厚飼料)の給与が有効です。ヤギ専用飼料(配合飼料)も販売されています。しかしながら、濃厚飼料は一度に多量に給与すると胃の調子を崩します。あくまでも草を主食とし、栄養補給・おやつとして捉えてください。また、ホームセンターなどで容易に入手できるからといって、鶏用の配合飼料をヤギに給与すること絶対に行わないで下さい。法的にも禁じられており、ヤギの健康を損なう可能性があります。

 野菜クズも有用な飼料の一つですが、あげ過ぎには注意が必要です。カボチャや芋類は澱粉を多く含むため、一度に多量に摂取すると胃内で異常発酵を起こしガスが溜まる(鼓脹症)場合があります。また、肥料が大量投入された野菜は硝酸塩を多く含み、そればかりを山羊に給与すると硝酸体窒素による中毒症状を引き起こし、死に至ることもあります。これも穀物同様おやつ程度に留めるよう注意して下さい。

塩(鉱塩)の準備を

 人間同様、ヤギも塩分の摂取が必要です。食塩でも大丈夫ですが、その他必要なミネラルを含有してブロック状に成形された鉱塩がお勧めです。農協などで購入可能です。

毒草に注意を!!

 中山間地域や民家の近くには数多くの毒草や有毒な樹木が存在します。人間にとっては身近でありふれた植物でもヤギにとっては猛毒になることも。ヤギを放す際は、事前に行動範囲に有毒植物がないかしっかりと調査するようお願い致します。

〇疾病について

 お住まいの地域によって家畜(ヤギ)の診療事情はまちまちです。ヤギの診療を受け付けている獣医さんを事前に探しておいて下さい。自身で見つけられない場合は、家畜保健衛生所に相談してみて下さい。

 ヤギは丈夫な家畜で粗方な管理に耐えうるとも言われていますが、寄生虫には大変弱く、高温多湿な日本においては特に注意が必要です。ヤギを健康に飼う基本は、「乾燥状態を保つ」ことだと思います。寄生虫や病原菌は湿度を好みます。敷料をまめに替え小屋内を衛生的に保つ、すのこなどを敷いて濡れた床面からの距離を取るなどの配慮が必要です。

 また、ヤギの重大疾病の一つに「腰麻痺」があります。牛の腹腔内に寄生する指状糸状虫が、蚊の媒介によりヤギに伝染します。この寄生虫が脳脊髄などの神経組織を刺激・破壊することにより運動障害(ふらつき、歩行困難)の症状が出ます。蚊の出る時期には予防が必要です。具体的な駆虫方法についてはかかりつけの獣医師とご相談下さい。

〇最後に

 必要最低限の留意事項を書いたつもりですが、不十分な点、正確でない表現も多々あるかと思います。

 特に初めてヤギを買われる方は、ヤギを健康に飼うためにも、まずヤギの飼育に関する書籍を読まれることをお勧めいたします。以下に参考となる書籍を紹介しております。

  1. 中西良孝「ヤギ飼いになる」誠文堂新光社
  2. 萬田正治「新特産シリーズ ヤギ」農文協
  3. 中西良孝「ヤギの科学」朝倉書店
  4. 田中智夫/中西良孝「めん羊・山羊 技術ハンドブック」畜産技術協会
  5. 寺島杏奈「ヤギの診療」日本橋出版
  6. 清水矩宏ほか「牧草・毒草・雑草図鑑」畜産技術協会